最後まで「腰上編」書いていきますね。【弄るの//】バイク整備総合【大好き//】

1: 通りすがりの774Rライダー 2019/12/29(日) 16:12:00 ID:HiQnXGns

整備に行き詰った方、分からない方、裏ワザなどみんなで教え合ったり助け合ったり なんでもどうぞ。

前スレ
http://forum.bikechannel.info/test/read.cgi/bikech/1552009569/

510: チューブ入りライダー 2020/04/22(水) 18:46:49 ID:VnZ72OM9
 完成しちゃってますが、腰下編で投稿終わってましたので、最後まで
書いていきますね。

 腰上編。 

 ピストンリングと、ピストンのリング溝の磨耗を測定。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644289.jpg


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644290.jpg

 各ピストンリングの厚みはマイクロメーターで、
円周の磨耗は、シリンダーの平均的な箇所に
入れて隙間の開きをシックネスゲージで測定します。
 厚みはばっちり。開きは標準をほんの少し外してますが、
 ボアが使用限度内での標準値を少しオーバーしてるので、
 こんなものかなという値でした。もちろん限度値内にはしっかり
 入ってます。

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644291.jpg

 ピストンのリング溝も計測。 ピストンリングは微妙な隙間で
 上限に動くことで潤滑(リング自体も)と気密を確保しますので
 ここの隙間がオーバーするとマトモに仕事しなくなります。
 結構ここ意味が重要ですので、興味ある方は検索してみてね。

 つづいて、ボーリング屋さんでシートカットとバルブフェイスを
 研磨してもらった排気側の摺り合わせ。

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644293.jpg
  バルブステム(軸)にハンマーオイル(モリブデンオイル)を
 つけて、バルブコンパウンドの細目を当たり面にちょいちょいと
 小さいドライバーとかで乗っけて、タコ棒すいつけて、回しつつ
 カンカン当てていきます。 するとあるところで、吸い付くように
 感触が変わって音も変わるので、そんなところで、
 一旦バルブコンパウンドを綺麗に除去して、光明丹つけて当たりの
 チェックをします。 

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644294.jpg

  綺麗に当たるようになりました。 処理前は酷かった、、、


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644307.jpg
 各バルブ摺り合わせとチェック完了。フレッシュな感じになったです


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644295.jpg
 錆びたエキパイのスタッドボルトは抜き取ったので、新品を
 植えていきます。 焼き付き防止にスレッドコンパウンドを塗布し


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644296.jpg
 スタッドボルトインストーラーをセット。 なければダブルナット
 でも出来ますが、専用工具使うとすごい楽になります。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644298.jpg
 専用工具がボルトの頭のような感じになるので、そのまま
 トルクレンチで締められます。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644300.jpg
 錆び錆びスタッドボルトが新品になると気分がいいです。
 スレッドコンパウンド塗布もあわせて、
 次回抜けずに折れる心配も解消されます。予防的交換の意味合い。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644301.jpg
 バルブステムシールはもちろん交換。これはヘッドあけたら
 必ず交換するくらいしていいパーツです。 バルブの軸を機械的に
 締め付けてオイルが出て行かないようにする重要パーツ。
 これがダメになるとバルブガイドからオイルが燃焼室に出て行き
 いわゆる「オイル下がり」が発生します。 


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644303.jpg
 分解時に除去してますが、抜くときは、プライヤーとかでグイっと
 ひっぱれば抜けます。再利用はもちろん不可。
 装着は、手でグイっと押し込むとカクッとはまります。
 組み付け時に指定オイルを塗布しながら行います。通常は
 エンジンオイルでいいと思いますが、ヤマハだとモリブデンオイルを
 塗布せよとあります。 あまりつけると、燃焼ガスで固いカーボン
 になると思うので、どうなのかな、今のところいい感じなので、
 私はエーゼットのハンマーオイルを好んで使っています。

<続く>

512: チューブ入りライダー 2020/04/22(水) 19:03:19 ID:VnZ72OM9
ヘッド組み立てていきます。
 バルブステムシールを付けたら、バルブを戻します。
 普通、バルブはだいたいこんな感じのパーツで構成されてます。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644308.jpg

 大きいリングは、バルブスプリングの台座。ヘッドはアルミなので
これが間に入ってる。 小さいリングは、その上の半月断面のテーパー
の楔(コレット、コッターピン)とのコンビで、バルブの頭の溝に
噛みこんで、バルブを固定します。 スプリングの反力で動いている
間も押さえられてる仕組みです。

 あれ?バルブスプリングが2つもありますよね、、


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644309.jpg
 これは、径の大きいスプリングの内側にもう1つスプリングが入る
 ダブルスプリング。 どういう事かというと、それぞれの共振が
 あったりするので、2つ入れることで、それを抑える意味合いが
 あったかと思います。 あと、スプリングのピッチが片側に
 寄ってますが、これも意味があります。 密なほうがヘッド側です。
 よく伸び縮みするところと、あまり伸び縮みしないところが
 どこにくるかを考えると、ナルホドと思うかな。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644310.jpg
 バルブを通し、スプリングも通し、固定リングを通したら、
 バルブスプリングコンプレッサーって専用工具でスプリングを
 縮めて、バルブステム(軸)の頭の溝が出るようにします。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644311.jpg
 その状態で、固定リングと、バルブステムの間にコッターピンを
 入れて、2分割されたコッターピンがうまく固定リングの凹と
 バルブステムの溝に噛むように配置できたら、バルブスプリング
 コンプレッサーを戻していくと、、、

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644312.jpg
 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644313.jpg

 こんな具合に固定されるです。 この車種たった4箇所のバルブ
 だけなので、楽です。20バルブの時は泣きそうになりました。

513: チューブ入りライダー 2020/04/22(水) 20:15:03 ID:VnZ72OM9
続き
 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644335.jpg
 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644337.jpg

  バルブ組み付け完了。 このあと、バルブにマークしてある
 ペイントをシンナーで消して、、

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644328.jpg

 組み付けたら、バルブステムの頭を、木の棒とかでハンマーを
 使ってコンコンと叩いて、コッターピンをなじませます。
 これやらないと、中途半端に勘合してて、突然外れたりして
 大ダメージになるので、忘れずしないとです。 地味な事ですが。

で、今回片側に焼き付きが酷かった理由はこれです。

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644329.jpg

 カムシャフトの乗っかる部分の両端に、オイルが流れる細い溝が
あるのですが、これが片側やたらと細い。反対側も細いですが。
 さらに

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644330.jpg

 カムシャフトのエンドキャップをつけると、こんなに狭くなる。
 ちょびっと設計に難ありな気がします。 今回入手した中古ヘッド
 も、この溝、液体パッキンで埋まってました。 そこで、、、

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644331.jpg
  リューターで削って流路を広げました。

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644333.jpg
  これで幾分流れはよくなると思います。

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644334.jpg
  加工後、あわせ面をほんの軽くならして密着を良くします。

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644339.jpg
 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644340.jpg

  ヘッドカバー側に、ロッカーアームとロッカーシャフトを
 元あった位置に戻していきます。 組み付け前に、ロッカーアームの
 バルブクリアランス調整用のボルトとナットは万力とかに木片
 かませて挟んでゆるめておきます。(ネジロックですさまじく
 固く固定されていますので) 青いのは例によってワコーズの
 組み付けペーストです。

<続く>

514: チューブ入りライダー 2020/04/22(水) 20:36:41 ID:VnZ72OM9
 エンジン整備の要、、ヘッドガスケット。 これが調達できないと
 手も足もでなくなります。 もちろん絶版ですが、いろんな方法でなんとか
 新品のヘッドガスケットを入手しました。 が、、、前回剥がしたのが
 綺麗に取れたので捨てるのは勿体無い。 メタルガスケットではなく、
 時代を感じるアスベストのコンポジット。 パーツの温存を狙い再利用。
 ホントはしないほうがいいのは分かってますが、しちゃいます。

  

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644341.jpg

  金属のカラー部分はマスクして、

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644342.jpg
  パーマテックスのカッパースプレーガスケットを塗布します。
  これは乾かず、ねばっこくなった状態で使用します。

 次にピストンの組み付け。
  

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644346.jpg
  

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644344.jpg

   順番と裏表、リングの開きの位置を指定どおりになるように
 ピストンリングを装着。 安物のピストンリングプライヤーでも、
 素手よりかなり楽ですので、あるといいかと思います。

  

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644347.jpg
 自作ピストンリングコンプレッサー。 超使いやすいのでオススメ。
 ボトル入りガムの容器をカットしたものと、太めの再利用可のタイラップ。
 これでピストンリングを圧縮します。

  

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644348.jpg
  こんな感じに。 ピストンリング圧縮して、ピストンの側面とツライチ
 にしておかないと、シリンダーに差し込めないので、必要な工具です。
 短気筒なら手でもやれますが、非常にイラつくので専用工具あったほうが
 いいですね。

  いよいよシリンダー入れていきます。

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644349.jpg

 この車種のサービスマニュアルでは2気筒の高さを揃えて一気にと
 ありますが、凄いやりにくいです。 ですので、普通に、片方ずつ。
 なぜ一気にかというと、指定のピストンリングコンプレッサーの厚みでは
 工具が抜き出せなくなるから。 ですがこのインチキ工具は大丈夫。

  

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644351.jpg
  

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644352.jpg

 隙間から抜き取りが楽々。 片方入れたら、クランクを回して
 反対側を同様に作業。さらに隙間が狭くなりますが柔らかい専用工具
 なのでキズつけず簡単に抜き取りができるのがミソです。

  

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644353.jpg
   両方のピストンリングまでシリンダーに収まりました。
 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644355.jpg
  あとはシュコンと入ります。 シリンダー合体完了。
 オイルをたらしてクランクを回して動作を確認します。 
 滑らかに動くのを確認したら

  
 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644343.jpg
  先ほど再生したヘッドガスケットのマスキングを除去して、
 あわせ面に装着。 オイル流路のOリングとかも忘れずに。

 次はヘッドを合体。

 

515: チューブ入りライダー 2020/04/22(水) 21:45:37 ID:VnZ72OM9
 ヘッド乗っけて固定ボルトを指定順序で複数回にわけて締結。
 トルクレンチで均一にしめたらカムシャフトまわり。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644366.jpg

 中古についてきたカムシャフトは軽くラッピングしてあります。
 綺麗になりました。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644367.jpg
 吊っておいたタイミングチェーンにカムシャフトを通して、サービス
 マニュアルをみながらクランクの上死点とか、各部マーキングを合わせて


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644372.jpg


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644373.jpg

 タイミングチェーンテンショナーをとりつけタイミングチェーンを
 張ります。 その前にテンショナーも分解清掃し、Oリングはパリパリに
 割れてしまったので交換しています。 このタイプのテンショナーは
 取付け前にスプリングを奥の勘合にはまるまで押し込んで(手が痛いです)
 末端のボルトで縮んだ状態で一旦固定し、エンジンに取り付けてから
 末端のボルトをゆるめると、縮めてあったスプリングが開放されて
 チェーンガイドを押してくれます。 その後、蓋としてそのボルトを戻し
 ここは完了。 この手順が載ってないサービスマニュアルとかもあります。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644371.jpg

 これでロッカーアームのついたヘッドカバーで蓋をできます。
 オイル流路をふさがないよう液状ガスケットを塗布して取付け。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644374.jpg
  エンジンっぽくなりました。 ヘッドカバーも指定の順番で複数回に
 わけてトルクレンチで均一に締めていきます。


https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644375.jpg
 クランクをレンチで回してそれぞれの上死点を出して、バルブクリアランス
 を調整します。 この車種は専用のシックネスゲージがないと凄まじく
 やりにくいので、昔に手に入れてました。 通・止めのゲージで、
 薄いほうは通っていいが、厚いほうは通ってはいけないという合わせかた
 になるような厚みの組み合わせになっています。 さすが専用品
 楽です。

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644376.jpg

 マフラーは錆び錆びなのを以前なおして、知り合いの整備屋で溶接で
 つないで直してもらったやつ。 また錆びが結構なものなので、ワイヤー
 ブラシで除去して、耐熱ブラックでさび止め。この車種燃焼効率が良くて
 触媒とかないけどマフラーから水が出まくるんで錆びやすいです。

 各部マフラーガスケットを交換して装着。
 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644381.jpg

 タンクとサイドカバーとか取り付けて完成!
 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644382.jpg

  この車体、実は自家塗装です。 缶スプレーで素人くさいのですが^^;

 

https://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org644384.jpg
  随分昔に塗ったんだなぁ、、ペイント日時書いてました。
  当時のワタクシは再びこれを見ると思ったのだろうか、、、

  実際見ることになりましたが。

 あとは、ハーネス全部ひっぺがして巻きなおしたり、細かいレストアです。

 連発で失礼しました。 

  その後走り出したらびっくりするくらいの押し出し感。滑らかに
 グリグリ加速します。 いやーー前よりパワフルになってよかった。

  部品の手配とかが泣けてきましたが、不死鳥のごとく蘇りました。
 応援してくださったくま氏をはじめ皆様ありがとうございました。
 整備、やりはじめると凄い楽しいし、愛着もわくので、お仲間増えたら
 嬉しいなと思って、詳細に書いてみました。

  でわでわ
 

516: 通りすがりの774Rライダー 2020/04/22(水) 22:04:52 ID:ulBx3Gd9
チューブ氏エンジン整備お疲れ様です。
前よりパワフルになったようで何よりです。
達成感ありそうだなぁ

掲載元:https://forum.bikechannel.info/test/read.cgi/bikech/1577603520/
ばいくちゃんねる板
レスほしいお(pq´ω`)ミジモジ

1010: 球磨管理人
いやはや、おつんでした(*´Д`)ハァハァ
腰下編になるのかなぁ
の方も、リンク張っときますねー(゚∀゚)アヒャ

チュー氏のGPzって・・・
あと、何十年のれちゃうんでしょうかw
それこそ、ヘッドやシリンダー、クランクケースが
真っ二つに割れて、流用品が出てこなくなるまで
乗り続けてそうな気がするのは、気のせいでしょうかね(^p^)
バルブとか、その他も・・・
他車種流用とか、加工とかで何とかしちゃいそうな予感がw

かすたむ検索

『最後まで「腰上編」書いていきますね。【弄るの//】バイク整備総合【大好き//】』へのコメント

  1. 名前:通りすがりの774Rライダー 投稿日:2020/04/23(木) 19:15:47 ID:16f39e30e 返信

    GPZ「クソ!ここまで重症ならリタイヤ出来ると思ってたのに」

  2. 名前:チューブ入りライダー 投稿日:2020/04/24(金) 12:57:04 ID:820ed8d9f 返信

    >>1氏
     おぢいちゃんはなかなか楽にしてもらえません(笑)

     コッチが先にくたばるかも(^^;)